「アッバース朝」をわかりやすく解説

目次

アッバース朝

アッバース朝とは、アッバース家によるイスラーム王朝です。

時期としては、750年~1258年まで存続しました。

イラクを中心に、エジプトやイランなど広域を支配しました。

前史:ウマイヤ朝

アッバース朝が台頭する前、イスラーム世界では、ウマイヤ朝が繁栄していました。

アッバース朝史①アッバース朝の成立~最盛期

代表的なカリフ①アブー・アルアッバース(サッファーフ)

アブー・アルアッバースは、750年~754年のカリフです。

ウマイヤ朝を滅ぼしたアブド・アッラーフの甥であり、アッバース朝の最初のカリフです。

代表的なカリフ②マンスール

マンスールは、754年~775年のカリフです。

マンスールは、アブー・ムスリムやアブド・アッラーフなど、アッバース朝創設の功労者を殺害しました。

また、シーア派の反乱を鎮圧しました。

代表的なカリフ③ハールーン・アッラシード

ハールーン・アッラシードは、786年~809年のカリフです。

アッバース朝の最盛期を築きました。

しかしハールーン・アッラシードの死後、各地で独立王朝が作られ、アッバース朝の領土が縮小しました。

アッバース朝史②ブワイフ朝の時代

アッバース朝が衰退し、実質的にはブワイフ朝が権力を握った時代です。

時期としては、932年~1062年です。

代表的なカリフ①ムスタクフィー

ムスタクフィーは、944年~946年のカリフです。

946年、ブワイフ朝のアフマドを、大アミールに任命しました。

アッバース朝史③セルジューク朝の時代

アッバース朝の衰退が継続しており、実質的にはセルジューク朝が権力を握った時代です。

時期としては、1038年~1194年です。

代表的なカリフ①カーイム

カーイムは、1031年~1075年のカリフです。

1055年、セルジューク朝のトゥグリル・ベクに、スルタンの称号を授けました。

代表的なカリフ②ナースィル

ナースィルは、1180年~1225年のカリフです。

ナースィルは、セルジューク朝に対抗する姿勢をみせたカリフです。

1194年、敵対勢力を上手く利用し、セルジューク朝を滅亡させました。

アッバース朝史④滅亡

代表的なカリフ①ムスタースィム

ムスタースィムは、1242年~1258年のカリフです。

1258年、ムスタースィムは、モンゴル帝国のフラグによって殺害されます。

これにより、アッバース朝は滅亡します。

イル・ハン国/マムルーク朝へ

アッバース朝を滅ぼしたフラグは、1260年にイル・ハン国を創設します。

またアッバース朝滅亡により、カリフが一時途絶えますが、やがてマムルーク朝で復活していきます。



参考文献
佐藤次高編『宗教の世界史11 イスラームの歴史1イスラームの創始と展開』山川出版社,2010.
佐藤次高編『新版世界各国史8 西アジア史Ⅰ』山川出版社,2002.
佐藤次高『世界の歴史8 イスラーム世界の興隆』中央公論社,1997.
木村靖二・岸本美緒・小松久男編『詳説世界史研究』山川出版社,2017.
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