「モスクワ大公国」をわかりやすく解説

目次

モスクワ大公国とは

モスクワ大公国とは、モスクワを中心とする中世ロシアの国家です。

時期としては、1283年~1721年です。(権力の安定は1325年以降)

前史:タタールのくびき

モスクワ大公国の台頭前、ロシアはモンゴル人に支配される「タタールのくびき」の時代でした。

モスクワ大公国史①ダニール

ダニールは、1283年~1303年の公です。

無名だったモスクワで初めての公となり、モスクワ発展のきっかけを作りました。

モスクワ大公国史②イヴァン1世

イヴァン1世は、1325年~1340年の大公です。

モスクワ公がウラジーミル大公(当時のロシアの最高権力者)に就任する流れを定着させ、モスクワの地位を固めました。

とはいえ、「タタールのくびき」の時代は続いており、モスクワ大公国はモンゴル人の支配下にありました。

モスクワ大公国史③イヴァン3世

イヴァン3世は、1462年~1505年の大公です。

モスクワ大公国の勢力を拡大しつつ、モンゴル人との戦闘を行い、1480年に「タタールのくびき」を終わられました。

また、ツァーリ(皇帝)の称号を使い始めました。

モスクワ大公国史④イヴァン4世

イヴァン4世は、1533年~1584年の大公です。(1547年~1584年はツァーリ)

統一したロシアを安定的に支配するため、モスクワ大公国の中央集権化を目指しました。

また様々な改革を行い、ロシアを強大な国家にしました。

しかしイヴァン4世の死後、ロシアは不安定な「動乱時代」に突入します。

モスクワ大公国史⑤ミハイル・ロマノフ

ミハイル・ロマノフは、1613年~1645年のツァーリです。

動乱時代のなか、ツァーリに選出されました。

このミハイルのツァーリ就任により、ロマノフ朝の時代が始まりました。

これ以降、動乱は収束に向かっていきます。

ロシア帝国へ

1721年、ロマノフ朝のピョートル1世は、元老院から複数の称号を与えられます。

これにより、ロシア帝国が成立します。



参考文献
田中陽兒・倉持俊一・和田春樹編『世界歴史大系 ロシア史1 9世紀~17世紀』山川出版社,1995.
井上浩一・栗生沢猛夫『世界の歴史11 ビザンツとスラブ』中央公論新社,1998.
木村靖二・岸本美緒・小松久男編『詳説世界史研究』山川出版社,2017.
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